biker in the night

下丸子で用があり、自転車で多摩川を下る。多摩川の川崎側の堤上にはサイクリング道路が舗装されて在り、こいつは川崎市の行ったインフラ整備の中でも、優れた事業の一つである。

帰りはすっかり日も落ち、夜になってしまう。ライトを持ってくるのを忘れたので、無灯火のまま多摩堤を上って帰る。自動車道路から漏れる薄明かりを頼りに、鈴虫やらコオロギの鳴き声を聞き、草の匂いを嗅ぎ、風を受け、太腿に快い抵抗を感じながらペダルを漕ぐ30分は、なんだか懐かしい時の間にいた。