she's not there

KさんはGW後に入社し、僕の隣の席に座った。
魅力的なルックスと明るくさばけたキャラクター。仕事は早く、責任感が強い。忙しい時も感情的にならず、愚痴をこぼしたり他人の悪口を言うようなことは、一度も無かった。一緒に気持ちよく/安心して働ける、希有な同僚だった。

最近少し休みがちだったけど、先週は一緒にランチにも行った。天気がよかったんで、大手町ビルの「野らぼー」に連れて行って、讃岐うどんを食べた。彼女は大層気に入ったらしく、「丸の内に来て一番おいしいランチだった」と言った。ぜひまた来よう とも。

連休明け、彼女は連絡なく休んだ。次の日も。夕方、彼女が亡くなったと聞いた。まったく信じられなかった。IMのコンタクト先がアクティブになっていないか、何度か確認した。でもそれはdisconnectedなままだった。

今夜お通夜の手伝いに、保土ヶ谷まで行った。スタッフとして、お通夜の会計係を初めて体験した。香典の中身を確認し、名前と金額を転記して、紙幣を集計した。忙しくて、感傷的な気分に浸る暇もなかった。

化粧を施された彼女の顔を見たけれど、それが本当に先週まで僕の隣に居た人なのか、正直わからなかった。
ねえ、週明け何も無かったように、また出社してくれないかな。