不忍ウォーリアーズ

もうね、いつ死んだっておかしくないんだから、四の五の言わずに住みたいとこに住んどきゃいいんだよ。とかなんとか胸に呟きながら、下町に引っ越してきた。

晴れた12月の朝、錆びてネジがいくつか外れて引っ越しの時に捨てようか迷った自転車(名古屋風に言えばケッタマシーン)を引き摺りだし、不忍通りを走りはじめる。根津駅を越えると道は広がり、池之端を過ぎて不忍池で右に曲がると、あとはひたすらまっつぐ、道なりに漕いでゆく。

湯島→神田明神下→昌平橋淡路町→我が青春の神田西口商店街→鎌倉橋→大手町→丸の内。時間にして30分弱、こんなに快適なチャリ通ルートは、滅多にない。

事務所の隣のビルにチャリを停め、しばし見つめる。今日からお前は“不忍ウォーリアーズ号”だ。でも雨降ったり風が強い日は、乗らないから。あと飲み会ある日と寝不足の日と面倒くさい日も乗らないけどね。よろしくね。