村上信夫

今年の営業は終了しました。終わってない仕事は数あれど、しばらくは自由な身の上だ。
ということで、まずはともあれケータイのアラームを切る。自然に目覚めるまで朝寝を楽しみ、ブランチのトーストを焼きながらTVをつけると、帝国ホテル元総料理長 村上信夫のドキュメンタリー番組が流れる。
シベリア抑留中、衰弱した同胞の実現不能な夢(パイナップルが食べたい)をかなえるため、煮林檎をパインらしく整えてサーヴする村上。同胞の喜ぶ姿を見て、極寒の地に捕われながら料理を一生の仕事と誓うエピソードに、思わず瞼が熱くなる。人はパンのみに生くるにあらずとはいえ、思いのこもった料理には、確かに人を励ます力がある。志のある仕事は、人を感動させる。見習いてぇもんですなあ。